カラダのこと, ヘアケア

今さらながらの「経皮毒」

前回の続きです。

「経皮毒」についてはご存知の方も多いかと思いますが、念のため。

   

私がセラピストとして最初に働いていた会社は、今思うと前衛的だったのかもしれません。

当時、今ほどオーガニックコスメや自然療法といったものがメジャーではなく、種類も数も少なかったと思います。

会社はもちろん、働いているスタッフもそういったことに敏感で、詳しい方が多かったです。

その頃から「経皮毒」の怖さについてはよくまわりから話を聞いていました。

   

合成界面活性剤は、肌バリアを壊して皮膚から化学物質が浸透し、脂肪に溶けて毒物が身体に残留したり血液やリンパ液にも運ばれて臓器に害をもたらす事が指摘されています。

通常、毒性を考えると、口から入った方が毒性が強いと思いがちです。

しかし、いくつかの研究データによると、合成洗剤は経口よりも経皮の方が毒性が強いことが報告されています。

たとえば、合成界面活性剤を飲んだ場合の肝臓の変化と皮膚から入った場合の肝臓の変化を比較した動物実験によると、細胞の変性は皮膚から入った方が大きいという報告が出ていたり。

また、経口の場合、洗剤を与えてから一週間後には99%排出されているのに比べ、経皮実験で洗剤を塗った場合は10日目でやっと10%の排出と、90%が体内のどこかに残っているという結果が報告されていたり。

身体の排出機能として、通常、有害な物質は皮膚から剥がれ落ちたり、水溶性の物質は腎臓から尿となって出ていき、その他の油溶性のものは小腸や大腸から便として出ていきます。

そして、皮膚には元々保護作用があり、有害なものを体内に入れないような仕組みが備わっています。

しかし、合成界面活性剤は、この防御装置を壊し、有害なものを体内に入れてしまうのです。

体内に入った有害物質は排出できる経路にに入ることができず、血管を通じて直接各臓器へと流れていき、徐々に蓄積されてしまうというわけです。

中でも一番怖いのが歯磨きだと言われています。

口の中は、皮膚の13倍の吸収率なのだとか。

合成界面活性剤入りの歯磨き粉で磨いてるだけで、口の粘膜から化学物質が吸収されてしまうのです。

歯磨きは毎日のことなので、気をつけるにこしたことはないです。 

これを聞いてから、私はもう20年近く歯磨き粉は天然成分のものにこだわっています。 

   

現代の生活においては、食器洗い用洗剤、シャンプー、ボディソープ、洗濯洗剤など多種多様な形で合成界面活性剤が溢れています。

これらが体内に吸収し蓄積されることで、近年、子宮内膜症やその他の婦人科系の病気、アレルギー、がんなどの原因になっていることも指摘されています。

また、これらが家から流れ出ることで川や海など自然環境汚染の原因にもなっています。

これは石けんシャンプーがおすすめなワケにもつながるので、次回詳しくお伝えしていきます。